ライオンズクラブ国際協会のYE(Youth Exchange/青少年交換)プログラムは、1974年の国際理事会で採択された「青少年交換規定」によって実施されてきたが、現在は国際理事会承認の「ライオンズ青少年交換プログラム及び理事会方針」によって行われている。日本のYE事業は、このプログラムと方針に基づいて運用し実施している。YE事業は派遣と受入、並びに国際ユースキャンプに大別されるが、いずれも単一クラブのアクティビティあることを先ず認識せねばならない。 1 起源 1962年、国際協会がYE事業の実施を決定して以来この計画は次第に発展して、今日のような世界的な隆盛を見るに至ったが、この利時皆の決定は1961年、当時の302−W1地区(現335複合地区)と4複合地区(カリフォルニア州・ネバダ州)との間で実施された夏期学生交換の成果に端を発している。国際ユースキャンプは、1963年にスエーデンのライオンズクラブがこのプログラムを始め、1974年に国際理事会によって正式に承認(採用)された。 2 目的 YE事業は「世界の人々の間に相互理解の精神をつちかい発展させる」というライオニズムの第一目的を推進するための一つの手段である。このプログラムは次のことを目的にしている。 (1) 他国の人と接する機会を青少年に与える。 3 種類 YE事業では、次の3種類の交換が実施されている。 (1) 一般交換 [派遣システム] 4 派遣応募者の資格 派遣生に必要とする資格は次の通りである。 (1) 年齢 5 派遣生の選考 すべての派遣応募者は、スポンサークラブの予備選考を受ける。クラブは適格者を、理事会の承認を得てっ地区に推薦する。地区における選考手順は概ね次の通りである。クラブの予備選考もこの選考事項に準じての実施が望ましい。 に順応する意志を持っていること。 6 派遣生の実務 (1) 派遣期間等・・・・・・・派遣期間は国(地区)及び夏期・冬期等の期間によっても異なるが、概ね4週間から6週間程度である。その期間、1家庭ないし3家庭に分けて引受けられる。派遣期間・フライトスケジュール・ホスト家庭等の詳細はホスト国(地域)と協議して決められる。ホスト家庭決定後は直ちにその家庭と文通し、交流を図るように努めなければならない。 7 派遣生の義務 (1) 地区委員会の行う「派遣候補生オリエンテーション」に必ず出席すること。もし健康上の理由で欠席の場合は、相当の証明書を添付して地区委員会に届け出ること。
(2) 異なる文化的背景を持つ家庭や地域社会の生活を経験させる。
(3) ライオニズムを通して、国際理解と親善を促進する。
単一クラブのスポンサーによる交換生がグループで相手国を訪問し、目的地到着後はそれぞれのホストクラブが指定する家庭に一定期間滞在するシステム。運営は、複合地区YE委員会並びに地区YE委員会の相互協力・調整のもとに進められ、その計画は指導によって実施される。
(2) 直接j交換
姉妹縁組・友好提携または姉妹都市等の関係で、外国のクラブ等と直接交渉して独自に派遣・受入を行うYEシステム。実施にあたっては、クラブ会長は地区YE委員長より複合地区YE委員長に報告し、その国(地区)を担当する地区の委員長に必要な措置を講じてもらう。
(3) 国際ユースキャンプ
「国際ユースキャンプ・プログラム」によって実施されるもの。YE交換生に関係なく、国際協会の承認を得て異なる国の青少年が参加して、最低1週間の長さで実施される。
「青少年交換プログラム」によると、出発日現在満15〜21才になっているが、日本では16才以上を基準にしている。また、ホストの側でこの年令以外を指定する国(地区)がある。例えばヨーロッパ諸国では「17〜21才」「18〜22才」にように国(地区)によって差異がある。
(2) 語学力
ホスト国の言語について基礎知識を備えていることが望ましい。国(地区)によってはその国の言葉が話せることを条件としている場合がある。例えばフランスへの派遣生は、フランス語の会話が出来ることを条件にしている。少なくとも訪問国での日常生活に困らない程度の「英会話」能力を持っていることが必要である。日本の地区によっては「英検準2級(高校生)、同2級(大学生)」を資格用件にしている例もある。国際ユースキャンプの参加は、英会話の堪能な者に限られている。
(3) 健康
長期間の外国旅行に耐え得る体力を有していることは当然のことである。特別の事情(例えば身体障害者、食べ物・薬に対するアレルギー、常用の薬剤、宗教上の理由による食べ物の制限など)がある場合は、ホスト側にはっきりと状況を事前に連絡して承諾を求める必要がある。
(4) ライオンズ会員の子弟
ホストの国または地区が制限しない限り、クラブ会員の子弟も派遣できる。現在ライオンズ会員の子弟を受入れないのは「イギリス・アイルランド」にその例がある。
(5) 親善大使としての使命
派遣生は、日本を代表した親善大使である。YE事業の目的をよく理解し、使命の達成に強い意欲を持って、YEのルールをそん主できること。くわえて、自主性・協調性・順応性・社交性の他、明朗さ・礼儀正しさ・強い忍耐力・目的意識を持ったチャレンジ精神が必要である。
(1) 選考事項・・・・・・・・・面接・英会話テスト・提出を受けた作文等の審査。
(2) 派遣資格の条件・・・イ、新しい友達を作る熱意と他の国について学ぶ意欲を持っていること。
ロ、異なる習慣や生活水準
ハ、訪問する国の言葉、歴史、文化等に積極的な関心を持っていること。
(3) 選考結果の通知・・・選考後、2週間以内にスポンサークラブ会長に通知する。この選考による合格者を「派遣候補生」という。
(4) 派遣生の決定・・・・・地区YE委員会(以下「地区委員会」という)は、オリエンテーション等によって最終選考を行い、地区ガバナーは適格者(派遣生)を決定して、スポンサークラブ会長に通知する。この通知によって正式な「派遣生」になる。
(2) 海外旅行傷害保険への加入・・・派遣生は、旅行中及び滞在中の自己・病気等に備えて海外旅行障害保険に加入する義務がある。スポンサークラブは、その加入を確認しなければならない。保険の内容は「傷害・疾病・賠償責任・携行品損害・救護者援護費用」等を担保するものとし、にほんでは海外傷害任意保険で、最低3,000万円の保険金額とすることが望ましい。
(3) 渡航スケジュール・・・・派遣国(地区)と交渉を担当している地区(以下「窓口担当地区」という)と、所属複合地区または地区、指定している旅行代理店との緊密な連携のもとに行われ、関係資料等の送付と説明を受ける。スポンサークラブは派遣生の出発・帰国にあたり、居住地〜空港間の肯定を作成することもある。
(4) 派遣生壮行会・・・・・・複合地区・地区及びスポンサークラブは通常、最終オリエンテーション終了後、壮行会を行う。
(2) 選考時の英会話テストの成績が不充分な者は、英語教育機関等で必ず勉強すること。
(3) 派遣生は、帰国後直ちに「レポート」を作成し、スポンサークラブと地区委員会に提出すること。
(4) スポンサークラブ及び地区委員会は通常「帰国報告会」を開催する。派遣生はこれに出席して「体験発表」を行うこと。
(5) 次の場合は、派遣資格が取り消しになることがある。
イ、オリエンテーションに正当な理由なく欠席したり、また出席していても真面目に勉強する姿勢に欠ける者。